#お茶の破壊・16杯目

◇続・剣の粉末◇


 『ソード・ワールド2.0』の、データ諸々や雑文めいた物の続きです。


◇フォーセリアの神とラクシアの神の比較〜どの神と似ているか〜

 
「ソード・ワールド・サポート」(1・2)と記憶を引っ張り出しながらの備忘録です。本当に備忘録なので、「なんか解釈違う」とか思ってもスルー推奨です。
 ちなみに、元は人族や蛮族だったラクシアの神とは違い、フォーセリアの神は存在のレベルが違い過ぎて、プリーストですら神意を試行錯誤を重ねて手探りで得るしかありませんので、熱心な信者の少ない神は教義がろくに固まっていないのもしばしばです。

 
(フォーセリアの大神/光の神)
 “至高神”(“太陽神”)ファリス
  世界の創造を主導した神で、光(太陽)・秩序・平等・正義などを司ります。「汝の為すべきことを為すがよい」というように、社会の秩序を守る教えですが、戒律が分かりやすいせいで手段が目的化してしまう信者が出やすいのが問題になりがちです。ライフォス、ティダン、ザイアを足したようなイメージです。
 “大地母神”マーファ
  (人としての)自然と豊穣を司ります。文明を否定するドルイド(精霊使いを中心とした自然崇拝者)ほど強硬ではなく、農村で主に信仰を受けます。ティダン、シーン、フェトルを足したようなイメージです。
 “戦の神”マイリー
  生きる事を戦いと見なし、戦闘や勇気を司ります。二つ名が似ているダルクレムとは違い、支配のためとか負けを認めないとかいう性質はありません。ユリスカロアとは違い、不意討ちや騙し討ちも卑劣な行為としています。グレンダールやザイアにやや近いですが、そちらの2柱の「技術」や「守護」の要素は持っていません。「コクーン・ワールド」のクリュオのライリー信仰がダルクレムそのままとか言ってはいけません。あれはパロディ。いいね?
 “商業神”(“幸運神”)チャ・ザ
  幸運、交流、(そこから派生して)商業を司ります。サカロスやガメルに近い感じです。ル=ロウドのような自由や独立のイメージはあまりなく、というか、ル=ロウドの場合、幸運の方が派生的にくっついてきたものです。
 “知識神”(“知恵の神”)ラーダ
  発明、真実、知性や理性の神です。クリスタニアに伝わる神話では“真の知識神”から謎掛けで知識神の地位を奪ったといいます。キルヒアに近いポジションにある神ですが、必要なら行動を惜しまないキルヒアほど活発なイメージは、少なくともアレクラストではありません。

(フォーセリアの大神/闇の神)
 “暗黒神”(“夜の神”)ファラリス
  ラーリスです。ファリスと双子とされる神で、世界の創造に加わりながら、その完成を拒んで神々の戦いを引き起こした張本人です。「汝の為したいように為すがよい」で知られる、自己の欲望を全肯定する神で、司る自由には責任が伴いません(クリスタニアの古の民のファラリス信者は「理性のない自由は獣と同じだ」としていますが、肉体を失った現在の神を崇めていません)。もはや言い訳のできないほど完全にラーリスです。邪悪な神々の主神格である点ではダルクレムに似ていますが、ダルクレムのような強者の矜持は持ち合わせていません。同じように夜を司るシーンとは夜の意味合いから完全に異なりますし、ル=ロウドのような自己責任は完全に対象外です。というかラーリスそのものです。

(フォーセリアのその他の神/光の神)
 “鍛冶の神”ブラキ
  鍛冶や火山、心身の鍛錬の神です。ドワーフから信仰を集めている点でグレンダールに似ていますが、異種族からはあまり信仰を受けていません。
 “匠の神”(“盗賊の神”)ガネード
  技術の神であるのに、盗賊行為を妨げる禁忌が少ないせいで、盗賊の神扱いされがちです。技術を高める面ではレパラールに、裏社会の信仰を集める点ではシーンに似ています。
 “芸術神”ヴェーナー
  芸術、歴史、(積極的な)運命を司ります。知名度が高いのに熱心な信者が少なく、教義がきちんと固まっていない神の代表例です。芸術を司るのはラクシアでは第二の剣に近いはずですが、古代神や大神には当てはまりそうな神が見当たりません。運命はエルピュセの領域ですが、まあどっちも一般社会では存在感が薄いですし……。
 “バルキリーの女王”キュラフ
  ケイオスランドの人間が唯一崇める“女王”です。マイリーと何らかの関係があるようですが、その辺りは展開が中断したのでわかっていません。

(フォーセリアのその他の神/闇の神)
 “荒ぶる海の神”ミルリーフ
  海を支配し、海へ人間が進出する事を嫌い、生命を苦痛として殺戮を慈悲とする分かりやすい邪神です。ちなみにフォーセリアでは、海は混沌と死を運ぶものであり、生命の母ではありません。殺戮ではザールギアスに、努力を無駄なものと否定する点ではカオルルウプテに似ています。
 名もなき狂気の神
  神格を特定されず、神話でも脈絡なく表れて混乱させて退場する神で、誰かほかの神の一面ではないかともいわれています。ソーンダークに似ているようで正反対であり、信者にも計画性はありません。
 リアセフォー
  世界のすべての予定を立てて、それに従う事を要求する神です。運命に変化を認めず、神の予定を妨げるものは徹底的に排除します。マイルールをごり押しする点はアーメスっぽいです。
 ニルガル
  人は生まれながらに役割を持つとしている……のですが、食人を肯定し、人間以外の種族を否定するせいで、光の陣営から闇の陣営に走りました。秩序系の邪神という点でエセルフィンに似ていますが、さらに邪悪です。
 ゴーヤマー
  物質界の生命を失敗作と見なして破壊しようとした神で、信徒は妬み、嫉み、生命の軽視を肯定します。ニディスニオ(や属性被りの多数の神格)に似ています。
 “復讐神”ミゴリ
  際限のない恨みと復讐の神です。信徒は自分の恨みと復讐を晴らすか、他人の恨みや復讐を助長します。フェトルには復讐の要素もありますが、こちらは正義感に基づく怒りによるもので、恨みとは関わりのないものです。

(フォーセリアのその他の神/中立神)
 “月の神”フェネス
  ファリスの弟で月と周期を司る、中立神の長です。中立神達はクリスタニアで神獣になっているため、外部ではフェネスが辛うじて存在を知られるくらいで、信仰されている例もないっぽいです。月と関わりを持つのはシーンに似ていますが、シーンは別に周期とかは関係ありません。

(フォーセリアのその他の神/陣営不明)
 ヤスガルン
  アレクラスト中原の北方にあるヤスガルン山脈の神です。……という説明しかなく、プリーストも信者も出た事がありません。「神々の時代から存在する大きな地形には司る神がいる」という中で一例として現れただけなのですが、そういう地域密着型の信仰はラクシアで時々見られます(ルーフェリアとかマキシムとかシムルグとか)。

(フォーセリアのその他の神/終末の巨人由来)
 “破壊神”カーディス
  死と破壊を司る神で、闇の神の一柱とされますが、今のフォーセリアが滅んで終末の巨人に収束してから、その巨人が新たな始原の巨人として次の世界を生み出す際にマーファと同じポジションになるといいます。破壊神である点はザールギアスと、今の世界を破壊しようとする敵である点ではフラクシスと似ているでしょうか。

(フォーセリアのその他の神/その他)
 エンシェントゴッド
  クリスタニアの古の民は、「肉体を失う前の神々」を、光の神も闇の神もまとめて信仰しています。教義もずれが大きいため、外から来た暗黒の民や新しき民とは、同じ神を信仰していてもお互いに異端者扱いです。そのためか、『クリスタニアRPG』では特殊神聖魔法も別扱いです。


◇アイデアの欠片

 
 別名:思い付き。
 気分次第で増えていきます。


☆アイテム編

 
・対蛮族免疫
 人族に注射すると、その人族の血や肉が蛮族にとって激しく忌避されます(また、摂取すると〈穢れ〉の強さに比例した猛毒として作用して、まれに摂取した蛮族がレブナントに変化します)。元は風土病の予防接種として魔動機文明時代に開発されたもので、一般化している地域では蛮族は食人を行わなくなっています。オーガーは死を賭して人族の心臓を食らうため、死なずに心臓を食らった者は英雄視されます。

※かなり昔に読んだ小説で、「風土病対策に、すべての人間が幼少時に予防接種をする」「その血や肉を食らった動物が怪物化する」というのがあったので、そこから。

 
・魔動機剣
 攻撃力やダメージにボーナスはない片手剣です。武器や戦闘に関わる魔動機術の呪文(剣ごとに異なる)を使用する際に、マギスフィア(呪文に対応したサイズ)として扱います。対応したオプションに相当する機能が付いている物もありますが、後からオプションを付ける事はできません。
 現在の魔動機術でも魔動機剣や類似のアイテムは作れますが、万能ツールであるマギスフィアが大量に発掘できるため、こうしたアイテムが実際に作られる事は滅多にありません。

※マギスフィアが発明される前、初期の魔動機術の媒体はこんなのだったのかなーと。

 
・ハンドガン
 原始的な銃器です。与えるダメージは新しい銃器とあまり違いませんが、射程があまり長くなく、弾込めに1ラウンド、魔動機術の起動に1ラウンドを費やしたうえで、ようやく発射できます。そのうえに、銃弾は特製の大型で丸い弾丸を使い、必要な魔動機術にマギスフィアは使えず専用のアイテムを使います。
 現在の魔動機術でもハンドガンや類似のアイテムは作れますが以下同文。

※ごく初歩的な銃器をモデルにしました。火縄銃よりもっと古いタイプの。

 
・楽器保持バンド
 楽器に取り付けて、重さの一部を身体の他の部分で支えるための太い帯です。装備枠の「背中」「右手」「左手」「腰」「その他」のうち1つを使ってバンドを装備する事により、バンドを取り付けた楽器を片手(1H)で演奏できます。同時に2つ以上のバンドを装備する事はできません。

※演奏しながら近接戦闘したくて。……足技主体のグラップラー/バードで済むのではとか、ふと思ったり。


☆種族編

 
・デスブリンガー
 モンスター(動物)。ジャイアントクラブの一種で、シオマネキ(フィドラークラブ)のような大きなハサミが片方にあります。大きなハサミを打ち鳴らして衝撃波を放ちます。

※死を招き。イメージにテッポウエビが混入しています。

 
・ブローズ
 人族の一員である種族。半透明で球形をしたゼリー状の本体から、変形して作り出す触腕と偽足を伸ばして活動します。武器や盾は持てますが、鎧は着られず(ただし物理ダメージには強い)、人型生物が着用する事を前提とした装備品を持つ事ができません。装備枠はすべて「その他」として扱います。

※ブロブとか、「ガープス・ルナル」の〈姿なきグルグドゥ〉とか、「ソウルクレイドル」のハイデロヌス(魔法攻撃が強力)とか。

 
・ペングー
 人族の一員である種族。見た目はほぼ「フリッパーに指が隠れたペンギン」。地上では動きが鈍いですが、水中ではものすごく素早くなります。腕力も意外と強いです。テラスティア大陸では“帰れぬ凍土”コンルーに生息しており、ラクシアの南極、ミミルディア海の果ての永久氷洋に故郷があると言われます。

※ぶっちゃけペンギンです。「1.0」の投稿企画に「ヒューエイビス」というペンギン型幻獣が出てましたが、もっと肉体派でユーモラスな感じで。

 
・オーガ・ウィークリング
 オーガのウィークリングです。蛮族の魂を霊的に「食らう」事により、その蛮族に変身する事ができます。レベルが低いうちは姿を真似するだけですが、レベルが高くなると能力も含めて変身できるようになります。超越者なら犠牲者の記憶も手に入れます。

※オーガの能力の対比になるように。変身できる対象の数には制限を付けておいた方がいいかもしれません。《ワードブレイク》を生来の能力にするとかも(笑)。

 
・サキュバス・ウィークリング
 サキュバスのウィークリングです。他者を眠らせる事はできますが、それでダメージを与える事はできません。誘惑に類する効果を受けた際に、抵抗に大きなボーナスが付きます。レベルが高くなると、誘惑しようとした相手を、抵抗に成功すれば逆に誘惑する事もできます。
 インキュバスのウィークリングも能力は同じです。

※やはり対抗的な能力を。相手が同性でも異性でも能力は変わりません。

 
・コボルド・ウィークリング
 犬です。

※犬です。……真面目な話をすると、「コボルドはダルクレムが犬に“穢れ”を与えて生み出したのではないか」と思っていまして。

 
・ゴルゴルコングス
 人族の一員である種族。外見はほぼゴルゴルゴールドで、名前も「ゴルゴルの王」という意味ですが、やや小柄で細身で、行動は落ち着いた感じです。力は強いのですが、身体の構造上、投擲や射撃が苦手です。
 ゴルゴルゴールドが第一の剣に受け入れられた種族であるというのがゴルゴルコングス達の主張であり、魔動機文明時代の研究でも受け入れられていますが、一部の研究者は「人間が密林に適応して変化した」と主張していました。レーゼルドーン大陸の中央部に住んでいたゴルゴルコングスは、魔動機文明時代に人間からゴルゴルゴールドと区別せずに狩られ、〈大破局〉でも蛮族に狩られて、現在は絶滅したとみなされています。

※「人間はゴルゴルゴールドから進化した説」から、ゴリラ系人族を想像しました。

 
・ハーストイーグル
 エイデル島などで生息が確認される大型の鷲です。鷹匠により飼いならす事ができ、騎獣にもできますが、乗れるのは小柄で体重の軽い種族だけです(グラスランナー、タビット、レプラカーン、コボルドなど。ドワーフは筋肉が多くて重いので対象外)。

※小型の種族にだけ使えそうな、空を飛ぶ騎獣です。ニュージーランドにいた巨大な鷲(絶滅種)ほぼそのままです。

  
・魔動ビーグル(Beagle)
 魔動機術で作られた、大型犬型の魔動機です。犬ぞりの犬や猟犬として使うために開発されました。小柄で体重の軽い種族なら、そのまま乗って騎獣にする事もできます。

※魔動ビークル(vehicle)のありがちな誤字ネタです。

 
・ゴーストシップ(クラブキャッチ)
 ゴーストシップの亜種で、魔動機文明時代の末期にオーラントレック海で使用されていた蟹漁の工場船が幽霊船と化したものです。漁師や工員のゾンビはあまり強くありませんが、乗っている蟹型魔動機が放つ光線が強力です。

※蟹工船であり、蟹光線でもあります。

 
・ナイガマ
 抽象化した鳥のような形をした、ダガーほどの大きさの鉄片です。投げて攻撃に使えます。与えるダメージが、蛮族に対しては+「穢れ」点、アンデッド、魔神、フォールンに対しては+5点されます。

※諏訪大社の祭礼で使用する「薙鎌」みたいな形の手裏剣です(と言い張ります)。
 このほか、手裏剣には太陽と光芒を模した「ニチリン」、様々な月の満ち欠けの形をした「ガチリン」、五芒星型の「スローイングスター」、正四面体の「マキビシ」、小鳥を模した「チドリ」、薄い金属片を畳み上げた「オリヅル」、曲線を描く刃が何本も突き出た「フンガ・ムンガ」などがあるそうです。

 
〈箪笥用コイン〉
 基本取引価格:2G
 知名度10(該当する地方の人族は自動、地方外では14)
 形状:さまざまな模様をした銀のコイン
 概要:客をもてなすために家人が用意する
 製作時期:現在
 家に遊びに来た客を歓待するために、住人が箪笥、壺、その他の容器の中に仕込んでおくコインです。魔動機文明時代の中頃までは本物のガメル銀貨を仕込んでいたそうですが、暗黙の了解を無視して家人の財産を盗もうとするあほ(お前はそうではないはずだ)を防ぐために、専用のコインが作られるようになりました。
 該当する地方の喜劇で頻繁に登場する「家人の制止を振り切って箪笥をあさりまくる旅人」の役は、このコインの発明に絡む歴史があるとかないとか。

※おやめください勇者様。
 あと、あまり関係ありませんけど、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の背景世界の一つ、フェイルーンにあるターミッシュ国の習慣「客皿」(お客になる時には皿を贈る)がいいなーとか思った事が。

 
〈解体器具〉
 基本取引価格:2000G
 知名度14
 形状:切断・解体・破壊器具のセット
 概要:戦利品を素早く獲得できる
 製作時期:現在
 このアイテムを使うと、戦利品を判定する際の2dに-2しますが、モンスター1体あたり1分で戦利品を獲得できます。ただし、2dが3以下(修正後に1以下)の場合は自動取得の戦利品しか入手できません。戦利品が肉体の一部である場合は、モンスターは自動的に死亡します。

※グロ注意。使うには覚悟を。


☆世界設定編

 
・〈下つ闇〉(したつやみ)
 ラクシアの地底の広範囲に広がる洞窟のネットワークです。ドワーフ、エルフ、シャドウ、ドレイク、トロール、バルカンなどの、暗視能力を持つ種族が住んでいます。地上とは完全に断絶はしておらず、ごく限られた洞窟、地溝、テレポーターなどで結ばれています。
 元から自然にあった地形で、神紀文明時代には地底の動物や幻獣の住処でした。バルカンはここの原住民で、ダルクレムより先にイグニスを見出しながら、力を独占しようとはせずに崇めていたという言い伝えもあります。そこに、神々の戦いの頃から魔法文明時代までに、戦乱から逃れるため、あるいは勢力を広げるため、人族や蛮族が流入しました。魔動機文明時代にはドワーフやシャドウなどがアル・メナスの繁栄から距離を置いた伝統的な生活を送る一方で、ドレイクやトロールなどが地上から逃げてきて、人族と蛮族の間で、または蛮族同士で死闘を繰り広げてきました――地上に戻って人族に報復したい蛮族と、地底で定住して地上に興味のない蛮族との間での対立も大きかったようです――。
 〈大破局〉では地殻変動により洞窟網が寸断され、あるいは洞窟ごと押しつぶされ、人族も蛮族も大きな犠牲を出しました。地上に出た蛮族に犠牲にされたと考えた〈下つ闇〉のほとんどの蛮族は、そのため地上の蛮族とは協力せず、ごく一部を除いては敵対しています。

※だいたい、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のアンダーダーク(エベロンなら「カイバー」)みたいな何かです。ペルシダーとか「コクーン・ワールド」のクリュオとかみたいな「光源がある大空洞」ではありませんので、暗視のない種族は基本的にいません。

 
・フライングフィールド
 魔動機術で処理された一定の空間に働く、特殊なフィールドです。空間内では、通常の重力が弱くなるとともに、特殊な魔動機で飛行する事が可能です。飛行速度は魔動機の最大出力に依存して、出力が大きい魔動機は速くても小回りが利きにくくなり回避能力が落ちる傾向にあります。フィールドの端には、魔動機による飛行者に対して(内側に向けた)強い斥力が働いており、飛び出して落下する事故を防ぎます。
 フィールド自体は動力を必要とせず、停止させる事もできません。空間を支える構造物を破壊すればフィールドも消散させる事ができますが、飛んでいる相手を落とすために破壊するのなら、その破壊力を相手に向けた方がはるかに楽なはずです。
 フィールドは主に、飛行するスポーツのために使われていました。魔法文明時代には魔法使いか高度なマジックアイテムが必要だった飛行するスポーツも、魔動機文明時代の後期にはフィールドのおかげでかなり広まったそうです。

※ファンタジーやSFでよくある、スポーツとかのために飛び回るシーンを再現するために。空間の方に仕掛けがあれば、飛ぶ側の(経験点やMP的な)負担は小さくて済むでしょう。
 フィールド系魔法という点では、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のトリルの「ミサル」とか、エベロンの「顕現地帯」とか。というか、「SW2.0」だと魔剣の迷宮がありますので、そこに無茶な設定もいろいろ詰め込めそうです。


◇ラクシア創作神話

 
 こっちも気分次第で増えていきます。


☆剣と創世

 三本の剣は、虚空の内に世界を生み出す。

 第一の剣は光もて形を作った。世界は調和のうちに存在したが、それだけでは冷たく、虚空のただなかで凍てついていた。
 第二の剣は生命の力にして万物の息吹。形という鋳型に流し込み、世界は火に満ちた。しかし調和にあらがう火は形を焼き、世界を焼いた。
 第三の剣は意思を見出した。そして澄み切った意思で、なすべき事を知っていた。形と生命は意思にて結び付き、支え合い、世界は自らの歩みを進める。
 そして創世はなり、三本の剣は満ち足りた。

  しかし四本目の剣は、創世した世界を思うがままにしたいと、そう述べた。

 第一の剣は、世界に生まれる者が我々を使い、世界を形となすべきだと述べた。
  呪われし兄弟は、創造された者は創造主より劣るのだから、そのような事を許してはならないと述べた。
 第一の剣は、創造される者は、剣のしもべではなく〈剣を継ぐ者〉であると述べた。
  呪われし兄弟は、そんな事はどうでもいいと、話をはぐらかした。
  [言い負かされると切れるのかよ。いくらアレでもあんまりだろ]

 第二の剣は、我々を使う者が、力を万全に振るうべきだと述べた。
  忌まわしき兄弟は、創造された者が力を正しく振るえるわけはないと述べた。
 第二の剣は、力に正しくも正しくないもないと述べた。
  忌まわしき兄弟は、そんな事は認めないと、話を拒んだ。
  [戦神は正しくなかったけど、認めようと認めまいと力の強さは変わりないよね]

 第三の剣は、意思は我々が生み出したのではない、根源に存在している可能性だと述べた。
  悪しき兄弟は、ならば創造された者に意思を許すべきではないと述べた。
 第三の剣は、許す権限も許さない権限も我々にはないと述べた。
  悪しき兄弟は、それなら自分が思い通りにすると開き直った。
  [あー、ダメだこいつ。最初からまともに話す気なかったじゃねーか]

 もはや兄弟ではない四本目の剣は、三本の剣により、ラクシアと太陽と、ラクシアの兄弟からなる系から虚空へ追放された。
 しかし第四の剣は、虚空への軌道を捻じ曲げて、ラクシアへ飛来して支配しようとする。

 最初に飛来したその時は、最強の種族である竜を堕落させて支配の尖兵にせんともくろむが、竜達により地上から放逐された。

 その幾度か先、空に現れ、今度こそ竜を支配しようとした第四の剣は、第一の剣に認められた神の手により、虚空へ放逐されて星となった。

 そのまた幾度か先、もはや地上に降り立てない第四の剣は流星となり、第二の剣の神の司祭を堕落させた。

 その先には、第一の剣の民と第二の剣の民が争うなか、多くの竜を堕落させ、竜でない者も堕落させ、剣を持つ者への復讐を成し遂げようとしたが、流星は系に長くとどまれなかった。

 その先、流星の軌道は次第に長くなり、将来は一定の時点からラクシアへ飛来できなくなるかもしれない。流星とその使徒は空前の戦いを挑むであろう。剣を持つ者達は流星の使徒を駆逐して、流星をラクシアから永劫に殲滅せよ。
 [ドラゴンを穢す輩には、死すら生ぬるい]

(解説)
 竜刃星とフォールンにまつわる話です。元は神紀文明時代の神話であり、各時代に内容を整えながら受け継がれたものとされています。
 最後の行は、ごく最近にいつの間にか、各地の記録に付け足されていました。[ ]に収めたものは、プロセルシア帝国からもたらされた記録に書き込まれていた感想と思しきものです。
(解説の解説)
 竜刃星が始まりの剣に似た存在である説(地上から観察できるのは大きすぎるような気もしますが)を採用しています。
 コメントを書き込んだのは誰を想定しているか、まあ分かりますよね。特に最後の人。


☆ライフォス漫遊記

[個別のタイトル]・[任意の地名]

 ある時、ライフォスとティダンは[任意の地名]に向かって歩いていました。

 [中略]

 そしてライフォスとティダンは、次の[任意の地名]に向かったのです。

(解説)
 「ライフォスとティダンが旅の途中に事件に出会い、解決する」という、神紀文明時代から伝わるパターンの話です。様々な時代に大量に創作されたため、これらの話のほぼ全ては史実と一致しないと考えられていますが、神殿での説教や講釈の題材としてよく使われています。神紀文明時代にいた他の神々もよく登場しており、アステリアはよく水浴びするか入浴しています。
(解説の解説)
 水戸黄門です。ザルツ地方のちりめん問屋の御隠居。


☆“穢れ”を持つ者

 神紀文明の時代、ある小さな集落に、角を持ち、青白い肌に大きなあざを持つ赤子が生まれた。
 生まれた時に、赤子は頭に持つ尖った角で母を死に至らしめ、父に殺されそうになったが、祖父母達が赤子をかばう。しかし集落の人々は赤子の外見を忌まわしいとみなし、それでもかばった祖父母達のうち3人が殺され、父方か母方か分からないが祖父1人だけが、人々を返り討ちにしてから赤子を連れて逃げた。

 赤子は祖父に育てられ青年となり、荒野で生き抜く術と、戦いの技を仕込まれる。恵まれた体格と知性は祖父の技を土壌に染み入る水のように体得して、祖父を喜ばせた。
 ある日、青年は祖父と言葉を交わした。
「祖父よ(※神紀文明語には父方の祖父と母方の祖父を区別する単語はない)、なぜ母は、祖父母達は死んだのか。そして私はなぜ生きているのか。この角は何なのか。肌は。あざは」
「理由は求めんでもいい。世界はさかしらぶった理由などで動いとらん。嵐に、地揺れに、獣の牙の内に何者かの悪意を恐れ、生贄を捧げ、罪のない者を縛り首にしていた愚かな時代ではもうないのだ」
 そう前置きして、祖父は包み隠さず話をした。話を終えるとまた、前置きを繰り返して念を押した。悪竜の慰み者から救われた少女が、この言葉をのちの青年から伝えられていれば、誰も確かめようのない妄想に浸ってしまうような事などなかったかもしれない。
 しかし青年は涙を流し、怒りに叫び、持っていた[伝承により異なる武器]により木々を薙ぎ倒し、大岩を砕いた。
「これを正さなくては。祖父母達を殺した父を、人々を殺す」
「ならぬ。孫よ、そなたが母を死に至らしめたのは痛ましい事であるが、そなたにはいかなる罪もなかった。父に、人々に、罪を犯させないために、私と妻、そしてお互いの子らに契りを結ばせた良き男と良き女が、そなたを逃がしたのだ」(※ここでは、話し手の子が青年から見て父と母のどちらだったのかは分からない)
 祖父は孫にそう言ったが、もはや祖父より大きくなった青年の身体の内にこもった、無念と怒りの熱は収まらず、その夜は、祖父が手を握ってくれるまでは寝られなかった。

 祖父は青年に、ラクシア世界の様々な事を教えた。
「祖父よ、神とは何か」
「神とは、始まりの剣に触れて、そのまことを身体と心に得た人である」
「始まりの剣とは」
「ラクシア世界、つまり、この空と地上と地下のすべての源であり、まことでもある」
「神になれば、父を、人々を殺す事もできるのか」
「始まりの剣は、心を持つ。そして、剣の認めぬ者が触れる事を許さぬ」
「剣はどこにあるのか」
「調和の剣であるルミエルは、レーゼルドーン大陸の神々の都にあり、初めてルミエルに認められた“始祖神”ライフォスが守っている。マナの源であるカルディアは、ラクシアのどこかにいる“知識神”キルヒアが持っている。始まりの剣は3本あるというが、もう1本はどこにあるか定かでない」
「キルヒアは見つけにくそうだから、ライフォスを殺してルミエルを奪えばいいのか」
「孫よ、そなたのように頭ではなく[伝承により異なる武器]で物を考えるようでは、ルミエルもカルディアもそのまことを得られぬぞ」
「分かりました、祖父よ」
 青年は祖父に、そうして首を垂れながらも、始まりの剣への力の渇望を心に抱いた。

 さらに時は経ち、祖父は衰えていた。しかし青年は、若さの盛りから年を経る事はなく、いっそう力を増していた。
「おお、孫よ」
「祖父よ、何なりとも」
 朝、孫は祖父の手を取り、立たせた。
「私はようやく気付いたが、そなたは普通の人間ではない。エルフでもドワーフでも、そのほかの人族でも幻獣でもない」
「この角と肌がありながら、普通の人間だという事があるでしょうか」
「言うまでもなく、心は、この祖父と同じ人間である」
 ここで祖父は一呼吸置く。
「角も肌も、それだけではただ、見掛けの違いに過ぎない。そなたは年を取らず、恐らくは老いる事もない。私とそなたとが二人きりになって、もう60年。それだけ経てもそなたは老人にならず、身も心も、若さの盛りのままだ」
「なにゆえに」
「それは分からぬ」
「私は知りたいのです、祖父よ。もし死なず、老いないのなら、私はなぜ生きているのか。母と祖父母達を殺した人殺しどもが死に絶えた後も、私は何もできずに怒りと後悔だけで生きていればいいのか」
 あの子供の時の怒りをそのまま持ち続けていた孫を、慈しむように、憐れむように、衰えた目で見詰めながら、祖父は言う。
「ならば、“知識神”キルヒアか、“始祖神”ライフォスに問い掛けるしかないだろう。ただならぬ困難な旅となるであろうが、お二方とも心は広く、問いへの助けとなるかもしれん」
「このような理不尽を許すライフォスやキルヒアから奪って、ルミエルやカルディアを我が物にするのが、なぜ悪いのですか」
「そなたは神を、自分の怒りを限りなく押し付けていい相手だと思っている――そなたがそんな事を考えるわけはないだろう」
 穏やかな祖父の表情が、かつて赤子をかばい戦った時のように、一瞬だけ険しくなった。幼い時から変わらない怒りに駆られていても、祖父を敬愛している青年は、本心を突かれても祖父に怒りを見せる事は決してない。
「反省しました、祖父よ。日頃の話を怠っていたようです」
 青年はそう言うが、自分から折れているわけではない。とはいっても祖父への欺瞞では決してなく、呼吸するような敬意の現れであった。
「それならなおさら、ルミエルもカルディアも、いや、もう1本の行方の知れない始まりの剣も手にして、すべてを私の思うがままにします」
 できるわけがない。祖父はそう考えていた。始まりの剣が互いに異なる力(そして世界の側面でもある)を持つのだとすれば、その剣は人には手に余る力を持つとしか考えられないと。しかしそうは言えない。言っても孫はあきらめる事なく、優れた肉体と豊かな知恵と限りない時で、自らの破滅か、世界の破滅か、もしくは両方を導いてしまうから。
「私の幸せは、もうそなたに渡す。そなたに穏やかに生きてほしい事だけだ」
「祖父よ、私の怒りはもはや、覚えてすらいない母よりは、私を守り全てを失った祖父のためにあるのです」
 祖父はよろめいて、孫が支えた。

(解説)
 “戦神”ダルクレムの誕生秘話めいた感じのものです。
(解説の解説)
 「ダルクレムはナイトメアだったのではないか」という説を見た事がありまして、その発想から「ラクシアゴッドブック」に繋げられそうな展開にしました。


☆暁の英雄

 レーゼルドーン大陸にあった、ある人間達の集落に、常に工夫と努力を欠かさず生きている、ライフォスという男がいた。ライフォスは集落の片隅で牛を飼い、畑を耕し、石と木で道具を作っていた。近くに住むティダンも、ライフォスと共に働いていた。集落での二人の評判は良かったが、“差し出がましい生意気な若造”を、それまでの大物(村長とか長老とかではない。どうやら簡単な社会体制すらなかったらしい)は嫌っていた。
 二人を嫌う大物の中には、ライフォスの両親と弟達もいて、ライフォスの作ったものを巻き上げようとする事も、ライフォスを傷付けようとする事もしばしばだった。しかしライフォスは、姉のエルピュセと、そしてティダンやその家族の助けを受けて、両親と弟達の悪巧みはいつも自分達に返っていた。

 ある日、ライフォスとティダンは集落を出て行き、何日もしてから二人は不思議な物――ルミエルを手にして戻ってきた。
 両親は「それは私の物だ」と言い張り、ライフォスから取り上げようとするが、奪おうとして父がルミエルに触れると前触れもなく右腕が落ちた。母がルミエルに触れると前触れもなく左腕が落ちた。
 弟達は錯乱しながら逃げて、集落の大物を呼び集めるが、それを予期していたティダンはライフォスと自分の牛と穀物と道具、そして自分の家族を既に集落から引き離して、エルピュセは大物達に「弟達が宝を奪って逃げている」と偽の噂を流して、集落が大物達や手下達の殺し合いと火付けで混乱するなか、ティダンが黒曜石を取引しているグレンダールのいる集落へと逃げた。急いでいるライフォスが手から落としそうになったルミエルにエルピュセが触れて、エルピュセはルミエルの祝福を受けて三人目の神となった。

 グレンダールと集落の仲間達はライフォスを受け入れて、牛だけでなく他の家畜も増やして、畑を広げた。ライフォスが社会のまとめ方を伝えて、集落の大物達は賛同してライフォスを村長にした。忙しいライフォスの代わりに、エルピュセが手作業を教えて、ティダンが天候を整えて、強い日照りと冬の寒さに見舞われた年も、家畜が、畑が、そして人が増えて行った。グレンダールはルミエルが「道具」である事を見出して、自然の銅で似たような物を作り出した。試しにルミエルと打ち合うと簡単に折れたが、もっと硬く丈夫にするために試作を繰り返した。

 豊かになった集落を妬み、ライフォスが昔住んでいた集落が略奪しようと襲い掛かってきた。ライフォスが防戦して、ティダンとグレンダールが包囲。ライフォスの悪い弟達の一人は、グレンダールが銅と錫を混ぜて作った「青銅」の剣で、粗末な木片の鎧ごと斬られて死んだ。逃げる軍勢はエルピュセの襲撃と罠に遭い、ほとんどが荒野のただなかで死んだ。

 また襲撃が起こり、防戦する側の村人が大勢傷付けられたが、ライフォス達が癒したためまた戦えるようになり、襲撃した側は力尽きて逃げ出した。ティダンは追撃しようとしたが、エルピュセが「戦の結果を知らせるために」と言ってそのままにした。
 それから、ライフォスが昔住んでいた集落から逃げてくる者が増えたが、ライフォスは「受け入れよう」と言い、エルピュセは「信用できない」と言って意見が分かれるが、「裏切れば相応の報復をする」という事でとりあえず受け入れた。

 村の人口が増えるとともに問題も増えてきた。ライフォスを救い主として崇めようとする人々と、元からの集落の秩序を崩されたくない人々が争うが、傷付け合う前に両者がライフォスに呼ばれて、行き過ぎた崇拝の押し付けで秩序を混乱させない事と、増えた人口に耐えられない者は新しく村を作る事で、お互いに調停された。調停の立会人となったグレンダールは、これまでの協力をライフォス達に感謝されて、ルミエルの祝福を受けて神となった。
 調停を記念した宴の場でグレンダールは、焚火の跡の粘土質の地面が焼き締められて硬くなったのを見て、ラクシアで初めての土器を作る。

 土器で貯蔵や煮炊きができるようになり、さらに発展する村。周辺に開拓地を広げようとしたが、謎の妨害事件が頻発する。
 ライフォスとティダンが原因を調べに行き、ストーリーによっては波乱万丈の冒険の末、テラスティア大陸まで渡っていく。
 長い間(話し手によって長さは違う)かかったが、アステリアが率いる狩猟採集民が見つかる。
 複雑な交渉を経て(知恵比べ、幻獣との戦い、農業と狩猟の伝授し合いなど)、アステリアがライフォス達に協力する事になる。別れ際、アステリアがルミエルに興味を持ってルミエルに触れると、その時は特に何も起こらなかった。

 ライフォスとティダンの帰還。グレンダールは自然釉が掛かった陶器や青銅の工具などの新しい発明品を見せながら喜ぶ。エルピュセは二人の帰りが遅かったことを怒りながら、大人しく反省する二人を愛おしく思った。

 三度目の襲撃が起こり、周辺にできた家や畑が一部焼かれてしまうが、襲撃した側は村を囲う堀で食い止められて、強引に渡ろうとして殲滅される。ライフォスの悪い弟達の一人が、ここでまた死んだ(ライフォスの悪い弟達は、なんとなく出てきてはなんとなく雑に死ぬ事が多いので、厳密な人数は作品のバリエーションにより異なる)。襲撃者に内応しようとして村に火を放った集団が捕まり、ライフォスはそれでも何とか許そうとしたが、村人が内通者を集団で暴行し出したので、エルピュセが首謀者を縄で吊るして(絞首刑説と、ただ死ぬまで吊るしていた説に分かれる)、それ以外に罰を加える事で、村人の怒りを収めた。

 襲撃の原因を根底から断つため、村の戦士達は襲撃者の集落へ反撃しようとする。ライフォスは「降伏する者は許すように」との条件を付けて、先頭に立って説得を試みるが、集落の大物達は全員がライフォスの両親と弟達に既に殺されていて、ライフォスの父は木に鮫の歯を並べてはめて剣を模した武器(テルビューチェ)を振りかざし、ルミエルの所有権を主張して戦いを挑む。
 ライフォスの父は集落の人間を生贄にしてドラゴン(エルダードラゴン単体と推測される)を味方にしていたため、村の戦士達はドラゴンを前に、ライフォス達の癒しの力を受けながらも防戦一方となり追い詰められる。グレンダールも負傷して、ティダンとエルピュセも戦士たちをかばうので精一杯。ライフォスの父はライフォスをののしり、それでもライフォスは沈黙。

 だが、いきなり射掛けられた弓矢の一撃がドラゴンの翼を貫通。ドラゴンは弓矢の持ち手を攻撃しようと向かうが、そこにエルピュセが投げた網が絡んで、グレンダールの剣がもう片方の翼に食い込む。もがき苦しむドラゴンは、神々と戦士達の攻撃により、しばらくして動かなくなった。尻尾に打ち込んだグレンダールの剣が折れて、そこには未知の金属を含む骨が露出している。
 ライフォスの父が気付くと、集落の戦士は、村の戦士だけでなく、幻獣を従えた謎の集団により、次々に倒され、または逃げていた。集団を率いていたのは、弓矢を持つアステリア。ライフォスからの頼みにより、従者を率いてやってきたのだった。
 追い詰められる集落の戦士と、それを率いていたライフォスの悪い弟達の最後の一人。幻獣も倒す猛毒を塗った槍でアステリアを突き刺して、直後にティダンに剣で首を飛ばされるが、アステリアも重傷を負った。倒れるアステリアをライフォスは癒そうとするが、そこで傷がひとりでに癒えるのを感じる。そこでようやくアステリアは、ルミエルの祝福を既に得ていた事に気付いた。祝福があって、自分が既に神だったからこそ、ドラゴンを最適に射貫く事ができたのだと。

 配下を失い、呆然と立ち尽くすライフォスの父。ライフォスはそれでも許せないか苦しむが、エルピュセは弟に、身内だからこそ厳しく裁くべきだと言った。まずは拘束しようとする姉と弟だったが、悪しき父はテルビューチェを手にして善なる子らに襲い掛かり、ライフォスは姉と自分を守るため、とっさにルミエルを鞘から抜いて、父を「もはや死体ですらないもの(炭化した死体、灰、塩の柱、爆発四散など諸説あり)」にして決別。
 ライフォスの母はどこかへ逃げ出して、行方知れずになった。レーゼルドーン大陸だけでなくテラスティア大陸でも、片腕の老女が災いを撒く伝承が多数あるが、ここでは触れない。

 村へ凱旋する戦士達と、合流したアステリアの民と幻獣達。グレンダールは宴を主催して、ティダンも人々と楽しむが、悪しき者であったとはいえ、父や弟達を失ったライフォスは、宴には出て人々をねぎらったが、深夜になって家へと戻り、エルピュセと二人きりで、沈黙しながら杯を重ねる。
 そこにアステリアがやって来て、ライフォスに対してことさらに陽気に振舞うため、エルピュセが苦情を述べるが、アステリアと話しているうちに自分を慰めようとしているのが分かったライフォスは、アステリアのしたいように任せる。
 ライフォスを個人的に気に入ったようなアステリアに、エルピュセは「こんな真面目過ぎて女性が惹かれないような男性になぜ興味を持ったのか」と聞くと、「顔立ちがいいし」と言ってから一息置いて、「純粋で、高潔で、何でもできるのにとてもお人好しで、自分が支えないといけないと感じる」から大好きと言葉を返す。ふしだらな子は義妹として認めないというエルピュセ(実際、神話上のアステリアは、ティダンへの恋慕のほかにも、自分に仕えるエルフ達との関係がいくつか伝えられている)に、「夫婦ではなくて親子になりたい」と“義伯母さん”に言い返した。

(解説)
 一般的に広まっているのとは別の、第一の剣の神々の始まりを説くものの発端部分です。初めて神となったのがライフォスとティダンだけで、個人の冒険譚ではなく集団の戦いに重点を置いています。エルピュセが重要なポジションを占めているほか、キルヒアがこの時点では全く姿を現さない(キルヒアがカルディアを見出した話が一般的な神話と同様にあるが、ライフォス達との面識ができるのが、ダルクレムが神になってからになる)というのも大きな特徴です。
(解説の解説)
 神々の始まりの、「ラクシアゴッドブック」とは全く違う、個人的脳内設定から組み上げたもの。文化英雄的要素を積み上げていて、新石器時代から青銅器時代へのステップアップもしています。故郷の集落がこのまま滅びたのか、どちらが神々の都へと発展したのかは考えていません。
  ライフォス…優柔不断っぽく見えるが、いざという時に実力を発揮する主人公。そして開拓系。父や弟に憎まれるのは中国神話の舜をイメージ。
  ティダン…主人公の盟友ポジション。主人公グループの隅々を支える。でもなんか地味。
  エルピュセ…冷静で現実的に主人公を支える姉系ヒロイン。というか実際に姉。小姑とか言うな。
  グレンダール…途中から参加する協力者。活動拠点を提供。
  アステリア…ムードメーカー、トリックスター、そして娘系ヒロイン。
 という配役。


☆歴史的風評被害

「魔法文明ってさ、えろいよね」
「何をいきなり言い出すのかね君は」
「だってさ、“貴族の支配力”だよ? 抵抗の余地なんかなくて支配されるんだから、15階位(レベル)の平民の戦士が1階位の貴族の魔術師と目を合わせた途端に…………ふぅ」
「今何を想像していた」
「どっちが男性でどっちが女性なら萌えるかな、って」
「いや、そこは両方女性で、細身だがしなやかな肉体を幼さの残る柔らかい肉体が」

「というのは、ノーブルエルフが最大の原因かなあ」
「まあ言いたい事は、今度はわからなくもないけど」
「積極的な女神様が妊娠出産授乳。神将もげろ」
「それ以上言うと本気で不敬だから慎めよ」
「まあ、不老不死だから若い肉体を堪能できたし。あと、ほもとかれずとか」
「はいはい。それが滅亡の一因って大げさだとは思うけど」
「きっと末期の対蛮族異種姦計画も、ノーブルエルフ主導でドレイクとかバジリスクとかを縛って」
「ない、とは言い切れないのが怖い」

(解説)
 魔動機文明時代に作られた冊子の一部です。歴史に関する好事家によって書かれたものらしく、内容もきわどいため、ディルクールの王宮の図書室の一つに収めていました。もちろん収めるだけで研究できてはいませんでしたが、ソレイユの神話伝承の研究者がほかの資料と一緒に持ち出してしまい、大勢の目に触れる事になります。
(解説の解説)
 確実な史実ではないそうですが、一応言っておきます。神将もげろ。


☆エルフと貴種

 魔法王達が治めし、かの時代。
 ある川辺にエルフの、魚をすなどる娘が住んでいた。

 そこに貴種のエルフの貴族が来て、
「そこな娘よ。粗野なるエルフよ」
 傲慢に言い放つ。

「はて、雲上人のかたが、そのような陋劣な言の葉を吐くことはなし。闇の妖精の戯言か、はたまた悪神のそそのかしか」
 娘は服の内に掛けたる太陽神の聖印に懸けて、妖精神の不肖の子らにあらがった。

「黙れや。軍団よ、褒美をくれよう」
 貴種は軍団に命じて、生意気な娘を[  ]してやらんとする。

「ああ、貴種の殿御よ。我らの主たる伯爵が、ドレイクめを打ち倒しながらおん自らも死して、もはや幾日か。跡取りたる男爵は、城の根小屋から受け継ぐ領民のもとを回りて、我らのもとにはいまだ参らじ」
 娘は巧みに目を向けようとせず、貴種に言葉を放つ。
 貴族の平民を支配する力を免れるには、目を向けなければよしとはいえど、言うは易く行うは難し。されど、優れた野伏たる娘には、経験も浅き貴種は、油断さえせねば容易な相手であった。

「うるさし。目を上げや」
 貴種は軍団に命じて、娘の顔を上げさせて、目を合わせて支配しようとするが、貴種が従えていた軍団は、かのドレイクが率いる鳥獣に貪り食われたばかりである。貴種の親が怒りを静めて、新しい軍団をくれるまで、ほとぼりを隠そうとしていたそうな。

「ああ、我らの主ではないお方よ。我らの忠誠は、バジリスクもトロールも自らの血に溺れさせ、ドレイクの穢れし魔剣を打ち折った男爵にあり」
「ははっ。所詮はナイトメアごとき穢れ者の――」

「ゆえに、わが視線をご所望ならば、潜り比べとはいくまいか」
 貴種がさらなる恥ずべき言葉を吐く前に、妖精神の名誉を守るべく、娘は[剣の加護]にての戦いを挑む。

(この後の言葉のやり取りと、水に潜った時の描写は、写本により異なる)

 娘と貴種は深く深く、半時間ほどは潜ったか。日頃から泳ぐ娘は動きもしなやかに、戦でも秘奥魔法頼りで軍団頼りであった貴種はぎごちなく。
 そして娘は言う。
「貴種よ、[剣の加護]はもはや半ばを尽きたり」
「おじけづいたか、粗野な娘よ」
 これまでの一生で、[剣の加護]を水上ダンスにしか使った事のない貴種は、娘に言われた事がどれだけ重要なのか理解できずにあざける。

「知らぬのか。潜るに半時間なら、上がるに半時間」
「訳の分からぬ事を」
 貴種の答を待たず、娘は水面を目指す。
「美だの愛だのにうつつを抜かす間に、簡単な算術を心得ておくのだったな」
「戯言を抜かすな」
 娘を追おうとする貴種の、長いしなやかな髪は、いつの間にか、岩にくくり付けられていた。

 娘は水の深き流れを選び、潜る時より素早く水面に戻る。
 貴種はそれから、水の中でも水の上でも、誰の目にも触れる事はなかった。

(解説)
 魔法文明時代のノーブルエルフと“普通の”エルフの間には、様々な断絶があったといいます。アステリア信仰でまとまりがあったかと思いきや、魔法文明時代は神への信仰をないがしろにする傾向があり、ノーブルエルフはアステリアを信仰対象というより祖先として考えていたため、自分達より劣るエルフがアステリアを信仰している事が許せなかったのかもしれないという解釈もありました。
 この作品は、
・実は娘は士族であり、ノーブルエルフの“貴族の支配力”は通じなかった。
・潜水時間が[優しき水]だけでは少し足りず、肺活量がものをいう。
・ノーブルエルフは上がってきたが、石を投げつけられて死んだ。
・ノーブルエルフは魔法で無理やり水面まで上がり、圧力の差で胃袋(以下自粛)。
 というバリエーションがあります。


☆蛮族の最初の呪い

 戦神ダルクレムは、人族に“穢れ”を与えて我ら蛮族――バルバロスと言わんと我慢できん奴らもおるわいの――をお創りになった時、“穢れ”で生物としての力を引き出して下さったのだよ。
(子供達の歓声)
 しかし、第一の剣の神々は、自分達で庇護していた人族を勝手にいじったダルクレムに怒った。
(子供達の不満そうな唸り)
 戦神が勝手にやったのだから、怒られて当たり前だよ。戦神は強いのであって、正しいとかそういうのとは関係ない。

 始祖神ライフォスは、勝手な事をするダルクレムがわがままな子供のように見えて怒りきれなかったのかのう。バルバロスから互いを考える心を中途半端に引き抜いた。だからバルバロスは互いを平気で殺すくせに、たまに人族みたいに心を一つにする奴はダルクレムに逆らって生きる。
(子供達は静まり返る)
 ダルクレムみたいに強くなりたいくせに、ダルクレムみたいに蛮族を従えて好き放題するつもりなんかさらさらない、たまにいるバルバロスみたいにな。

 太陽神ティダンは、ライフォスの代わりの分も怒るように、バルバロスが太陽の恵みを受けられんようにした。実際、妖魔には農業なんてできんし、無理やり耕させてもすぐに駄目にしてしまうから、人族を奴隷にせんと蛮族の国は滅びてしまう。
(子供達の爆笑)
 だからこそ、人族を従える利益と危険を心得たノスフェラトゥは恐ろしいのだ。

 妖精神アステリアは、自然にない“穢れ”をむりやり使ったダルクレムにもちろん怒った――怒りが長く続かん神だから、たまには怒りを解いて〈星の目〉の若造みたいに〈声〉が聞こえる時もある――。地が、水が、火が、風が、光と闇も、バルバロスを拒むのだ。年老いたバルバロスがたやすく衰えて死ぬのも、タロスの軍勢が妖精魔法で滅ぼされたのも、そんな理由があるのかも。
(子供達の怯え)
 安心せい。怒りは長く続かん(許しがあるとも限らんが、まあ)。

 炎武帝グレンダールは、当たり前だが、烈火よりも怒った。物を生み出す技は、バルバロスには理解はできても体得できず、手元からざらざらと抜けていく。まあ、上位蛮族で手すさびに何か作るやつがたまにおるのは、技ではなく芸とでもいうのだろうな。
(子供達の感心)

 ところで、危険神キル・ヒアー……
(子供達の失笑)
 ……もとい、知識神キルヒア。第三の剣の神。特にバルバロスから何かを奪おうとはしなかった。
 嘲笑するダルクレムだが、気付きもしない戦神にキルヒアは黙ったまま。

 そう。賢明さなどバルバロスには最初からないのだよ!
(子供達の大爆笑)
 バルバロス、いや、“蛮族”に深い考えなど不要。〈蝕〉のガキどもなど吹き飛ばせ! 行くぞ我らが〈箒星〉!

(解説)
 ある大陸のある地方の蛮族勢力を二分する、〈箒星(ケートゥ)〉の集団託児所のバジリスクが語った昔話です。自分達から「蛮族」を自称する珍しい蛮族である〈箒星〉は、蛮族の蛮性を強調したような行動を好み、人族を奴隷や名誉蛮族にせず排斥し、労働をウィークリングとコボルドに依存して小集団で散在する、とらえどころのないグループとしてその地方では知られています。その自由にだらけた気性からバジリスクがなじむ一方、支配者のポジションに就きたがるドレイクは、敵対している〈蝕(ラーフ)騎士団〉に多いようです。


◇ガメル銀貨の通貨価値の安定についてちょっと考えてみた

 
 ガメル銀貨は、魔法文明時代も現代も、大半の物品は同じ価格で取引できます。
 そこまでの間にガメルの価値が大幅に上がったり下がったりしたのでしょうか。どうせほとんどの時代はプレイに関係しないのですが、

 
・神紀文明時代
 ガメル神がガメル銀貨を発明してから、流通量はガメル神本人の神力、知識、情報収集により、常に適正な枚数で生産、流通、場合によっては回収されてきました。主産業である農業がティダンの祝福により安定していたため、農作物の暴騰や暴落も起きにくかったようです。
 当時のガメル通貨は、基本的にはコレクターに収集されて流通には回りませんが、ごくまれに流通しているガメル通貨の中に混ざっている事があります。

・魔法文明時代
 神々の戦いの直後には、アストレイドなどの脅威から逃れ続けるしかない人族社会では、ガメル通貨はほとんど作る余裕もなかったものと推測されていますが、セフィリアや墓守衆などのごく限られた安定した地域で、ガメル信仰はなんとか断絶せずに受け継がれていたようです。
 デュランディルなどの魔法王が現れると、安全を確保できた支配下の人々が生産能力と人口を増していき、商取引(とガメル通貨の使用)が広まっていきますが、国の枠を超える事が少ない限定的なものでした。戦闘能力があり、なおかつ魔法王に支配されていないはぐれ貴族や士族による交易団が行う商取引で、ガメル通貨は直接の使用だけでなく、物々交換の基準にも使われてきたと考えられています。
 ガメル通貨の生産も、人口が増えるのと並行して、ついでに魔法の品が大量生産されるのと並行するように増えていき、時には供給過剰や供給不足も起こってはいたようですが、ある程度の量が現在まで伝わって、たまに流通にも使われています。長期にわたって支配をしていたフェンディル王のガメル通貨は今でもザルツ地方でたまに見られますが、イスカイア皇帝のガメル通貨は帝国外では好まれなかったようで、現在時点ではコレクターでもない限り存在すらまず知りません。

・魔動機文明時代
 魔動機文明時代には、魔動機による安全の確保と生産能力の急速な拡大により、人口が魔法文明時代に比べて激増して、商取引の規模もガメル通貨が追い付かないほどに拡大していきました。通貨不足によるデフレーション(ガメル神官が足りないし、それ以前に金も銀もいきなり生産量は増えない!)が深刻化するとともに、一部の地域では穀物による現物取引に戻りかけたりもしましたが、信用通貨の発行により辛うじて回避され、都市を中心に信用通貨(アウリカーナ紙幣やアイヤール紙幣など、国ごとの流通)が広まりましたが、辺境での商業、国際取引、バーター取引(主に魔晶石やマナタイト)の基準としてガメル通貨が使われてきました。
 魔動機文明時代のガメル通貨は、現在でも大量に流通しており、有力な国家があまりないユーレリア地方や、魔動機文明時代から継続して国家が続いているダグニア地方などで、特にたくさん見られます。

・〈大破局〉とそれより後
 蛮族の一斉侵攻と人族の大量死により、人口は激減しました。信用通貨は紙屑になりましたが、ガメル通貨も遺跡にそのまま埋もれたり、蛮族に略奪されたりして、人族の間での流通量は減少していると思われます。
 その後、人族は遺跡の発掘や蛮族の討伐で、失われたガメル通貨を回収していくとともに、新たなガメル通貨を生産していきます。大半の地方では、魔動機文明時代のガメル通貨とまだ同じくらいの流通量ですが、今後は逆転していくかもしれません。

・ガメル通貨の想像
 ガメル通貨は、1ガメル銀貨と、ほぼ同じ大きさの50ガメル金貨が基本で、きりのいい単位で何種類かが発行されています。
  銀貨の例:半ガメル、1ガメル、5ガメル、10ガメル、20ガメル
  金貨の例:50ガメル、100ガメル、200ガメル、500ガメル、1000ガメル
 金と銀(どちらも純度が高いものを神聖魔法で強化)以外の材料をガメル通貨にはできませんが、白金の地金をガメル通貨型にしたり、青銅や黄銅で半ガメル、四分の一ガメル、十分の一ガメルなどの補助貨幣を作ったりしています(白銅やニッケルは、銀と紛らわしいので基本的に使いません)。
 ガメル通貨の形は、薄い円盤状です。デザインは片面にガメルの聖印を入れる必要がありますが、もう片面は自由にできるため、君主の肖像や国家の紋章が入れられる事が多いです。
 ガメル通貨の保護魔法は、素材の摩耗や銀の錆を抑える効果があり、意図的な破壊には耐えられませんが、保存状態が良ければ1万年以上の使用に耐えられるとみられています。


◇ラクシア世界における(人族間の)差別について少しだけ、ええほんとに

 
 20世紀初頭レベルまで一度は文明が進歩したラクシア。技術が退歩したとはいえ、倫理観まで退歩するわけではないでしょうし、そもそも差別をメインテーマとして遊ぶようなゲームでもないので、メジャーな人族なら日常で拒否される事はないでしょう。ただしナイトメアを除く。その辺は「蛮族英雄」シリーズでもちょっと出てくるので、参考になるかもしれません。露骨に嫌悪を向けられるよりは、無理して見ないふりにしているのが見え見えという息苦しい状態で。
 もうちょっとリアリティが欲しいなら、田舎の人や老人を中心に、「(特定の職業・国籍・種族などの属性)風情が」「そういう事を言うな」くらいなら21世紀でもまだあるので。種族の多様性も大きく、調和を旨とする第一の剣の教えが大きな人族の社会では、リアルの20世紀初頭まで差別的心情を考える事はあまりないのでは。神の存在がリアルなファンタジー世界なので、「神の教えに従った方が得」みたいな打算的心情が、まあないわけではないでしょう。――逆に、悪神に従って得をしたがる人物もあり得るわけです。均等さを重視し過ぎて異分子を排斥するエセルフィン信者みたいに。
 でも、マイナーな人族の場合、レプラカーンみたいに「社会から認識されずに無視される」などという事もあるのですが。グラスランナーは、性癖がああなので、まあ。


『ソード・ワールド2.0』:(C)北沢慶/グループSNE/富士見書房 

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